自己作品集

八ヶ岳
この絵は、家で描いているうちに興が乗って、これまた一気に出来たものだが、結構、上手くいった絵である。
八つのざくざくし た頂点が、それぞれ存在を主張してしまうので、左から右に弧を描くようにして、この中に他の主峰を入れるようにする。こうして主峰の赤 岳に目が行くようにする。
現実の稜線は、白い雪山の後ろがいきなり空になっていたりして、これを絵にすると稜線が目立たず、区別させるのが難しい。そこでまず、感情をこめて、 強弱をつけて、シャープに稜線の輪郭を描いて行く。これを絵の具で潰したり残したりして描いて行くと、稜線の凸凹や、陰影が出て、結果として、山が丸く見えるようになる。稜線を描く際の色は濃いブルーやブラックでもいいが、明るいオレンジ系の色で輪郭を取り、絵の具で、少しずつ残して行く画家も多い。さらに八つの雲は、人智を超えた、信じられないような形の雲が出る。
これは、最初のHPを見て貰えば分かる。
だから、どんな雲にするか、大いに迷ってしまう。
八ヶ岳
この絵は、八ヶ岳が曇って一向に全容が見えず、長時間、麓を描いて待っていたのだが、諦めて帰途につくことにした。だが、諦めきれず、残った絵具で、残っていた古キャンバスに、ものの10分ほどで、一気に描いたものである。稜線もまったく見えなかったが、平素、見慣れているので、こんなもんだろうと一気に描いたのだが、傑作となった。おおげさにいえば、心眼で描いたものである。このまま大きくは出来ないが、やはり迫力がちがう。
浅間山
この山も、いい山である。F50号(117p×91p) 
なだらかな稜線が素晴らしい。火山特有の山肌が、太陽の光で時々刻々変化してゆく。時々吹き上げる噴煙も実に美しい。ひところ、この山に惚れ込んで何度も取材に行き、それでも満足できず、山麓の町村に現金書留で、四季折々の写真を送って貰うように頼んだから、恰好いい写真も100枚以上はある。「どこの村から見たどの四季の浅間」と言われれば、浅間の姿が目に浮かんでくる。
鳥海山

どちらも遠いから、もはや、そう簡単に行かれないが、象潟から見る鳥海山の噴火口の造形的な姿は絵になる。(F4号・33p×24cm)。こちらも地元の観光協会に頼んで、何十枚も写真を集めている。残雪のころが素晴らしい。昔、蒲田支店長の時、マンションを建てた老社長様がいて、相当にひどいお国訛り。聞けば、故郷が鳥海山麓。「朝夕、鳥海を見ながら育ってきた」という。それでは竣工祝いに鳥海山の絵を送ろうと、ひそかに出身地に写真を依頼したが、一か月以上待ったが一向に送られてこない。もはやダメかと思っていた矢先「実は、連日の雪で、山が見えなかった」と、写真が送られてきた。
竣工当日、ふすま半分くらいの絵にして届けたら、老社長は「あつ、俺んちの山だ」と、涙を流していた。
こまでは良かったが、その後は社長室に飾られてしまい、預金を頼みに行っても、絵の出来が気になって、空振りになることが多かった。

蔵王も遠刈田から見る蔵王が雄大で素晴らしい。ここに隠居して、絵でも描こうと、別荘地を買った。その後、東京に戻され、バブル経済が始まって破綻して、すべて夢で終わった。

妙高山
これも絵になる山で、多くの画家が好んで描いている。何十年も行きそびれていたが、3年ほど前思い立って初冠雪を狙って出掛けた。自宅で、F50号(117cm×91cm)にして創元会に出したら、タテの構図のほうが入選になった。自分では、横のほうが気に入っているのだが・・・。

 

妙高山

 

仙丈岳(南アルプス・赤石山脈・3,033m)

 鮭鱒の回帰本能とでもいうか、いま、故郷・伊那谷から見た南アルプスの仙丈に入れ込んでいる。

母校の丘から見る雪の仙丈の美しさは崇高で、息をのむほど美しい。

パリに行ったきり帰ってこない同期の安川画伯は「三年くらい見続けた後でないと描けないよ」と言っていた。が、こちらはアマチュアの気楽さ、何とかしようと頑張っている。もう何枚か描けば、少しは見られるようになるだろう。このメールの読者には、高校同期も多いので、見る目は厳しい。

 

富士山

 

 山の話をここまで書いてきたら、日本一高い「名山・富士山」を無視できないような気になってきた。

昔から富士山は、あらゆる画家が一度は挑戦するテーマである。

横山大観、梅原隆三郎、木村武、等々、有名な画家も枚挙に暇がない。

しかし、大概の画家は、富士山が余りにも美しすぎて、それ以上描く気がしなくなるものらしい。

この絵は、ある友人所有の十里木山荘に囲碁を打ちに行った時、富士山の絵を頼まれ、描いたものである。

「外に出て、本物を見ればいいじゃないですか」と断ったのだが、既往、全く挑戦する気がなく、描いたことがなかったので「ただし、東京に飾ってくださいよ」と言って、挑戦した。3~4枚、銭湯の看板にならないよう、苦心して描いた。F4号(33×24cm)。

友人が「俺は、今まで富士山頂は平らだと思っていた。現実は違うんだ」と言ったので安心した。

絵は、こちらの意に反して、山荘に飾ってあるとのことだ

 

人物は、たった一回だけやった。

何処かにあるはずだと探したら、出てきた。
40年前、システム開発部門は、常に100点を要求される厳しい部署なので、気分転換をさせてやろうと絵の同好会を始めた。その日は、事務センターの女性がモデルになってくれるというので張り切っていたのだが、忙しくて動きが取れず、駆け付けた時は、みんな片づけ始めていた。
2〜3人から余っている絵具を貰って、一気に描いた。40年ぶりに探し出して来たら、まずまずの出来だった。
人物画は、この絵しか描いていないので、多くは知らない。
ただ、眉毛がきつかったので参ったなと思っていたら、先生が「指で、そっとなぞるといいよ」と教えてくれたのを思い出す。「これこそ緑の黒髪だ」と、皆に笑われた。